顧客の購買プロセスはWebの発達により大きく変化を遂げました。売上拡大の為には、その変化した顧客の購買プロセスに合わせた営業活動をしていく必要があります。
顧客の購買プロセスモデルと言えばAIDMA(アイドマ)が有名です。
A:Attention(注意・認知)I:Interest(関心)D:Desire(欲求)M:Memory(記憶)A:Action(購買行動)
顧客が購買行動を起こすまでには認知から記憶までの過程をたどるので、販売側はその過程に合わせた活動をする必要があることを説明したモデルです。
このAIDMAがWebの発達により、AISAS(アイサス)に変化したと言われています。
A:Attention(注意・認知)I:Interest(関心)S:Search(検索)A:Action(購買行動)S:Share(情報共有)
AIDMAのDesire(欲求)とMemory(記憶)がSearch(検索)とShare(情報共有)に変化しAction(購買行動)の位置が変わりました。
この変化したSearch(検索)とShare(情報共有)について考えていきたいと思います。
※大まかな流れは以下、図AIDMAからAISASへを参考にしてください。
※購買モデルは次々に新しい考えが出てきています、それは商材により適切なもの、あまり当てはまらないもの様々です。本記事では最も基本的なAIDMAとAISASについて説明します。
Search(検索)
今、何かが欲しいと思った時、最初に行うのはスマホで関連キーワードの検索ではないでしょうか。これは金額の大小、個人・企業、関係なくどんなものでも当てはまると思います。また、欲しいものではなく、解決したい課題がある場合でも先ずはスマホで情報を検索をすると思います。
自分の行動を考えてみても、認知度の高い商品群であれば、ECモールに直行、サイト内で商品群を検索、商品の仕様比較を行い、口コミ情報を読んで価格比較した後、カートに入れ自分の購入タイミングで注文ボタンをクリックしています。課題解決したい場合はキーワードから課題解決提案をしてくれるサイト(ブログ)を探し、そのサイトの誘導に従って購入可能なサイトで比較検討から購入へ進んでいると思います。
つまり、Web検索で”取り扱い商品を引っ掛けてもらうこと”がとても大事になってきます。その為にはSEO対策をすれば良いのですが、良くわからないからプロにお任せ(丸投げ)ではなく、顧客を思い浮かべ、取扱商品でどんな課題が解決できるのかを具体的に、読み手にわかりやすく(グラフやデータ、もしくは動画を使って)、誠実に説明する資料を作成し、Web上に掲載することをお勧めします。この購入形態に慣れている私たちは、Web上の情報を通じて販売者を知り、その販売者が誠実かどうか見極めて購入を決めています。嘘や大げさな表現は読み手に見抜かれてしまいます。
このように商品群にもよりますが、Search(検索)には単に”検索エンジンで検索する”の意味だけでなく、認知、関心、購入意欲、商品の記憶、比較検討など複数の要素が入り込んできています。
※Web上で誠実さ、親しみやすさを表現する一つの手法として社員の紹介があります。これはメールマガジンでも同じですが、デジタルツールを使用し、あえてアナログで共感を得るやり方です。人はその人の表情で誠実かどうかを判断している部分もありますので、Web上で自信をもって社員紹介をして頂きたいと思います。
Share(情報共有)
自分の持っている情報を不特定多数の人物へ簡単に共有できる時代です。購入して頂いた商品を購入してよかった、と思っていただき、その情報を発信してもらえば宣伝効果は抜群です。逆に、商品を買うのではなかったと後悔させてしまっては、その情報が悪い噂となって拡散してしまいます。そうならない為にも、商品購入後のアフターフォローはとても大事になってきます。
営業プロセスでもアフターマーケット担当の役割の重要性を説明しましたが、リピートオーダーを獲得する為に、また、新規顧客を獲得するためにここに力を入れる必要があります。
※個人的には購入した、使用した商品の情報を不特定多数と共有したいとは全く思いません。が、勝手なもので発信された情報に関しては細かく読んで信憑性があるかどうか、複数の情報やサイトを確認した上で商品を購入しています。メーカーや販売者が紹介する他社優位性やユーザーの声は、Web製作者が嘘を言っていなくても利害関係がはっきりしているので、全面的には信用できないと思っています。かと言って、個人が発信しているものが全て本当ではないと思います。ただ言えることは、Web上の話しだけでなく、購入者に商品を人に薦めたいと思ってもらう努力は絶対に必要です。
まとめ
Search(検索)とShare(情報共有)の重要性について説明させていただきました。当然のことですが、この二つだけが大事なわけではなく、自社取扱商品、サービスをAIDMAやAISASに当てはめて考え、どこに課題があるのかを見極め、対策を打つことが必要です。考え方としてはAIDMAは100年前から、AISASも20年近く前から使われています。時代時代によって、表現や単語が変化していますが、基本的な顧客の購買行動として注目しなければならない点は変わっていません。
現在はAttention(注意・認知)Interest(関心)もSearch(検索)のプロセスの中に入ってしまい、単純化し、Search(検索)⇒ Action(購買行動)の2ステップで終わってしまうケースも多くなっています。これでは営業が出る間もなく商品が選定されてしまいますので、少なくとも既存顧客に対しては、検索をされる前に営業担当に相談をしてもらえるように関係性を構築していく必要もあります。
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